レプチンレベルが停滞しているのかを知る

チートデイをするべきか迷った時はどうすれば?


ダイエットを行っていると停滞期があります。
運動も適度にこなし、食事制限しているのに、なかなか体重が落ちない・・・。
世間ではこうした「自分の行動が変化していないのに体重が落ちなくなった」という事をまとめて停滞期と呼んでます。

以下はあくまでも校長の実体験に基づく私見です。

まず1つ目

体重は落ちて標準体重へ近づけば近づくほど、そして標準体重からさらに落ちてゆくと、体重は急激に落ちにくくなります。
これは恐らく体が防衛状態となり、筋肉や脂肪を落ちにくくすると考えられるからです。
具体的には「声が小さくなる、歩幅を狭くし歩くスピードが遅くなる、眠くなる、体温を下げる」など。 自分の意識とは無関係に体が勝手に消費カロリーを少なくするような行動へと変化させます。
日常生活でこうした消費カロリーが少なくなれば当然同じ運動量や食事量でも体重が落ちにくくなるわけです。

そして2つ目

ダイエットを本気でやっている人はほぼ間違いなく運動も取り入れているでしょう。
運動はやり続けていると「慣れ」が出てきます。
例えば1日20分で疲れ果てていた人でも、2週間もやり続ければ体がそれに慣れてきて、今度は30分40分と続けられるようになります。

1日の運動を1時間だけと決めていると、体はそれに慣れてくるので消費カロリーが減り、体脂肪は減少しにくくなります。
運動で最も大切な事は「心拍数×運動時間」です。
心拍数は嘘をつきませんので、体が慣れてくると同じ負荷でも少ない心拍数で運動がこなせるようになるので、ジムのマシンなどで目標心拍数が設定できるなら徐々に上げてゆきましょう。ただし最大心拍数の7割を超えるような設定はNG。そうなるとランニングやエアロバイクであっても有酸素運動ではなく筋トレになってしまいます。
心拍数が高すぎると、体は脂肪細胞からエネルギーを供給する事よりも、よりスピーディーに燃料として使えるグリコーゲン、そしてそれが枯渇するとすぐにエネルギーとして使える筋肉を分解し出す恐れがあります。
またウォーキングやランニングをしている方なら、走るスピードを上げたり、坂道をコースに追加してみたりするのもよいかもです。

そして3つ目

レプチン機能の停滞、これが今回のテーマです。
レプチンはダイエットをやっている人なら一度は聞いたことがある?!かもしれないでしょうが、体脂肪を燃焼させるホルモンです。
体重が勢いよくぐいぐい減りだすと、体は防衛態勢に傾き体重が減らないようになりますが、この際「まさか食べ物が獲得できない危機ではないか?」と脳が判断して体の体脂肪をなるべく減らさないようにするのです。
この際、レプチンの機能が停滞し、体脂肪燃焼効率が悪くなります。
同じ運動量や食事制限をしていてもレプチン機能が停滞していれば当然脂肪は燃焼されにくくなります。

そこで登場する方法がチートデイ=リフィードです。

本屋さんでドカ喰いダイエットとか、食べて痩せるダイエット系の書籍が沢山並んでいたと思います。
これらの大半がレプチンの事を書いている書籍だったと思います。

今回このコラムを書こうと思った理由の1つは、間違えた判断でリフィードを入れ続けると、余分な脂肪が蓄積されてダイエット効果が薄れてしまう事を回避してもらいたいと言う点です。
そして、何をもってレプチンが停滞しているのか?という判断材料が無い中でチートを入れるべきか否か迷っている人に対して、なんらかのヒントが提供できればという点です。

例えば本気モードでダイエットを始めたとします。
運動と食事制限によって見る見る体重は落ちてゆきますが、おそらく14日~30日程度で急激に落ちにくくなるはずです。
標準体重よりもかなり多い体重の人である場合には30日に近く、標準体重に近い人の場合にはより手前で停滞期が来るはずです。

ここで多くの人は迷います。
「どうして落ちなくなった?」「これが俗に言う停滞期?」と。
そしてこのまま続ける人、あきらめて元の食事に戻してしまう人、チートを入れる人という3者に分かれます。

そのまま続ける人の場合の多くは「減らないのは自分の努力不足、もっと運動量を上げて食事制限をする!」という完璧主義の人に多いような気がします。
あきらめて元の食事に戻ってしまう人は、言うに及ばずリバウンドとなり、再び元の体重へと戻ってゆきます。
どちらにも共通して言える事はストレスがたまります。

自分を責める系ダイエットは短期的には効果がありますが、長い目で見た場合にはストレスホルモンである「コルチゾル」によって脂肪燃焼効果の低下と身体への様々な悪影響が出てきます。

くれぐれも自分を責めなよう、感情とストレスをコントロールして下さい。

気持ちの整理が付いたらチートについて考えましょう。

チートデイの役目は、長期間行うダイエットの中で「たまにはドカ食いしたいじゃん?!」というストレス発散目的も含まれます。

しかしドカ食いは標準体重へ向けてダイエットしている人や、標準体重よりもやや低い方が停滞期を迎えた場合にも有効な手段です。
リフィードを取り入れる前に是非やってみ欲しい事は、運動量の調整です。
この行動の意味は、ひょっとしたら体が運動に慣れてしまい、負荷として体に効いていない可能性を疑います。

そのため心拍数を上げて運動を行うか、1日1回だった運動量を2回に増やしたり、より強度の強い運動メニューに変え1週間継続してみてください。
食事は通常通りの制限食で問題ありません。
もし運動量を1.5倍~2倍にしたにも関わらず、それでも体重が減らないと言う事で有ればレプチンの機能が停滞している事を疑いリフィードを入れてみる価値は高そうです。

単純に体重が減らないからと言ってむやみにリフィードを入れると、それがレプチンの停滞が原因で無い場合には、再び想定外の脂肪が蓄積されるだけに終わります。

チートは基礎代謝の3倍食べる事が推奨されているので、だいたい3000キロカロリー~4000キロカロリーを1日で摂取する事になるでしょうから、これが全て吸収されたと仮定すると400グラム~500グラムの体重増加となります。
※無論食事には水分が多く含まれていて、食事中の熱発散DIT、廃棄率を考慮すれば実際それほどは増えません。

ただ、自分の努力不足か体の機能停滞なのかを理解できるようにならなければ、この先のダイエットでかなり苦労する事になります。
標準体重を下回って来ると停滞する期間も長くなり、強烈に体重は落ちにくくなります。

また、もしリフィードを入れずにレプチン機能を再起動したいならプチ断食もお薦めです。
1日か2日、酵素+水のみで過ごし、脂質と炭水化物、たんぱく質を断ってみると「飢餓だから消費しないようにしよう」という脳の思考が「本当に飢餓だから使わなきゃ!」となり、脂肪が再び燃焼され始める可能性があるからです。
校長はこの方法で乗り切っています。
もう運動量はこれ以上増やしたくないし、一時的な断食は内臓を刺激するにもいいかなと思うから。
ダイエットで最大の課題はズバリ停滞期の乗り切り方だと言っても過言ではないので、自分の感覚を養い「何が停滞期の問題なのか?」を判断できるようになる事が重要なポイントです。