インドカレーのカロリー
日本人が大好きなカレー。
インド風、ネパール風、西欧風、和風など、実に様々なカレー料理がありますが、日本人に馴染みがあるのはカレーライス。
しかし最近のグルメブームで、本格的なインドカレーのお店や、ややディープなネパール、パキスタンまで含めた煮込み系カレー料理や、インド風の炒め飯ビリヤ二なども人気が広がり、カレー圏文化はますます隆盛です。
そんな中、カレーはヘルシーだという人もいれば、いやいやカレーは高カロリーだという人もいます。
そこで、当ダイエットスクールの校長自身がカレー大好物者であるので、これらの疑問にお応えしたいと思います。
あくまでも校長の感と経験、食べ過ぎたときや連食した際の感想であることは事前にご了解くださいね。
栄養分析などはできませんので。。。
まず校長が最も好きな南インドカレー。
南インドではナンはあまり食されず、ビリヤ二というコメ料理か、チャパティーやロティーという全粒粉のパンが主食になります。
また、北インドではイスラムの影響を受けているので肉料理がメインとなりますが、南インドでは菜食主義者が多く、ミールスもベジタリアン系の料理が多くあります。
よく南インド料理店に行くと、「ミールス・ノンベジ」「ミールス・ベジタリアン」という二つの大きな区分けをメニューで見つける事がありますが、これはそんな理由からなんですね。
さて、インドを大きく「北」と「南」で分けた場合、どっちのカレーがカロリーが高く、脂質、糖質も高いのか?!これは、校長が様々なお店を食べ歩いて感じたことですが、圧倒的に「北」です。
特に北インド・パキスタン系のカレーは油が大量に使われており、胃がもたれるほどです。
砂糖を大量に使用しているわけではないので、血糖値の上昇自体はさほどではないのですが、あれだけの油を摂取すればカロリー過多、脂質過多になり、ぶくぶく太ると思います。
でもインターネットやテレビでパキスタンの人々を見ると、案外痩せている人が多いですよね?
表現は失礼かもしれませんが、ひょろっとした栄養不足気味の方が多いというか・・・
それはなぜかというと、日本で食べているパキスタン料理、カレーはかなり贅沢な料理だということ。
実際パキスタン料理のお店で働く方々の「賄食」を見てみると、スープにわずかなスパイスを溶かしたような薄いカレーにロティーのみ・・・と言う極めてヘルシーなもので、おそらく庶民の方々は油コッテリのカレーや肉入りのカレーなどは食べていないのではないかと思います。
ですので、日本人が食べているようなパキスタン料理を食べているのは現地でもかなりの裕福な人々。
で、その裕福な方々は見た目もそれらしくプヨプヨだったりします。
南インドはベジタリアン料理が多いとは言いますが、実は彼らは食べている量がすごい。
ミールスという定食のスタイルでは、カトリという銀製の器をのせて複数のカレーやポリヤル、チャトニ、チャパティー、プーリ、さらにバスマティライスなども盛りつけます。
またメインのミールス以外にティファンと呼ばれる軽食も食べます。
このティファン、日本では考えられないほど量が多い軽食で、これだけでほぼ満腹になるほどです。
炭水化物料理も多いので糖質が気になりますし、油は少ないけれど量が多いのでハイカロリー。
故に日本人が南インド料理店に行ったら、なるべく量を少なめにしてもらい、炭水化物系も少なくするのがオススメの食べ方。
北系の料理はすでに油が大量に料理に入っていますので、これを後から取り除くのは難しいけれど、南の料理はあっさりさっぱりなので、食事量さえコントロールすればダイエットにはよいということになります。
※パキスタンの料理店に行くと、1人前で2枚のチャパティーが出てきますからご注意を。
それから、日本人が好きな「ナン」についても書いてみます。
草鞋=わらじ型のナンは、子供からお年寄りまで大好きなはずです。本場インドでは草鞋型ではなく、丸い形をしています。
でもこのナン、インドでは家庭で作ることは殆どなく、大概の家庭では「ナン屋」さんで購入しています。
日本人がパンを自宅で焼いて食べるケースが少ないように、彼らにしても自宅にタンドールという大きな釜を持つのはある程度裕福な家庭のみ、ほとんどの家庭ではタンドールはなく、フライパンなどで作るチャパティーやプーリ、パロタなどが炭水化物の主流です。
日本で頂くナンは提供される際に表面にギーと呼ばれる油がぬられています。
おそらく美味しさと風味を高めるためだと思いますが、当然バターなのでカロリーが高くなります。
ナン自体も大きいものになると1枚400kcal以上ありますので、これにカレーや焼き物なども食すと1回の食事で2000kcalを超えてしまうようなこともあります。
そのため校長自身がカレー店へ行った際には「ナンにバター(ギー)はぬらないで」とお願いしています。
炭水化物でヘルシーといえばロティーやチャパティーでしょう。
全粒粉なのでGI値は低いですし、提供される際にギーはぬられていません。
さらにナンほどの大きくはないので、1枚だけで抑えればヘルシーです。
アーンドラブティ州が本場のビリヤ二もヘルシーな炭水化物料理だと思います。
ほとんどのお店ではビリヤ二というと油でコメを炒めるチャーハン風になるわけですが、本格的なスタイルで提供するお店では、蒸して作ったりするので油が落ち、パラリとした食感で非常に美味しくヘルシーです。
写真右にあるのが南印度の軽食「ティファン」で頂く一つ、ウプマです。
セモリナ粉で作るケースが一般的ですが、米粉や小麦粉、豆粉からも作れるそうで、見た目は日本のポテトサラダやおからに似ています。
しかし食べるとスパイスの風味が強烈にし、やや辛いといった印象。
カレーをかけるというよりは、このまま食べるスタイルです。
このウプマ、当然炭水化物ですから血糖値上昇効果があります。
さらに水に溶かしているとは言え、なかなかのカロリーだと思いますから、軽食=ヘルシーと思いこむと大変なことになります。
このウプマ以外にも、イドゥリやワダと言った、様々なティファンメニューがあるのが南印度料理の特徴です。
[インド料理店で太らない食べ方]
校長がよく「食物繊維から食べよう」とコラムに書いていますが、インド料理店に行ったらまず何から食べるのか?
もちろん食物繊維からは基本なんですが、メニューを広げてもサラダは一部しかなく、どれが食物繊維豊富か、糖質が低めなのかはよくわからないと思います。
もし出かけたインド料理店で「サラダ」というコーナーがあれば、もちろん生野菜ドレッシング無しからいただきたいのですが、どうしてもない場合、見つからない場合には、ライタというヨーグルトのサラダがあるはずです。
これはインドでは定番の食材なので、ほぼ必ずあるでしょう。
このヨーグルトサラダから頂きます。
このライタ、実はビリヤ二にかけて(混ぜて)食べると大変美味ですが、最初に少し頂き、お腹の準備をさせます。
次はカレーではなく、焼き物、特に油の少ない羊肉のカバブなどを頂きましょう。
血糖値を上昇させるのは糖質以外ありませんから、カロリーが高そうであってもタンパク質は最初の方に食べるようにします。
ゆっくりこれらの料理を堪能したら、続いてはカレーです。
カレーはその日に食べたいものを食べれば良いと思いますが、おすすめはなるべく辛くし、肉は羊肉入り、ほうれん草系がオススメです。
辛くする理由はDIT(食事中の熱発散)が高い事、そして羊肉はLカルニチンが多い事、そしてほうれん草は当然ながら食物繊維が多い事が理由です。
カレーと合わせていきなりナンやライスをガッツリ行かないでくださいね。
最初はカレーのみ、少量づつ食べましょう。
カレーを半分くらい食べたら、ようやく炭水化物と一緒に頂きます。
この際にもライタを追加注文し、カレー、ナンまたはロティーなど、そしてライタと交互に食べるのがオススメ。
まとめると・・・
グリーンサラダorライタ→カバブ系→カレー→カレー+ナンということになります。
ちなみに本格的なインドカレーのお店に行くと「バターチキン」「バターフィッシュ」など、バター系のカレーを目にしますし、とっても美味しいために人気です。
が、気をつけたいのはこの「バター系のカレー」は、全メニューで最もカロリーが高く脂質も高いので、可能な限り避けましょう。
美味しいのは当然ですが、一度作っている過程を見せてもらいましたが、ぞっとするほどバターが入っています。
続いてはインドのパンについてのカロリー比較です。
・プレーンナン
タンドールで焼いた小麦粉のナン
もちもちしていて、中は空気がある軽いパン。
印度の家庭ではあまり食べられることが少ない高級な主食です
お店によって大きさがまばらですが、通常の大きさのもので400~500キロカロリー前後と言われております
・バターナン
プレーンナンにバターをたっぷり塗ったタイプ。
このバターはギーと呼ばれており、印度では定番の油。
もちろんギーが塗られていればその分カロリーは高まるので、ナン1枚は500~600キロカロリー前後となるようです。
・ココナッツナン
ナンの上にココナッツパウダーがまぶされたもので、シンプルなナンに甘さを加えるためのアクセントになります。
カロリーもさることながら、糖質がさらに高まるので、美味しい分ダイエットには不向き。
プレーンナンにココナッツをまぶすと600~700キロカロリー前後になるようです
・チーズクルチャ
ちょっとナンとは違いますが、円形のナンの中にゴルゴンゾーラチーズをたっぷり入れて焼き上げたもの。
日本人に大変人気ですが、カレーなどには合わない。
このチーズクルチャだけを料理としてとらえる事ができる。
もちろんチーズがたっぷりなのでカロリーもたっぷり。
1枚700~900キロカロリーはあると思われます。
・カブリナン
チーズクルチャと形状は似ているけれど、チーズの代わりにたっぷりのドライフルーツを入れたナン。
甘さが増し、非常に美味しく、これを目的にカレー店へ出かける方もいるほど。
私も大好物ですが、いかんせんカロリーが高く、糖質も高い。
1枚800~900キロカロリーはあると思われます。
・ほうれん草ナン
ナンの生地にほうれん草を練りこんだ緑色のナン。
一見、健康的でヘルシーに見えますが、カロリーはプレーンナンとはまったく変わらない。
食物繊維やビタミンが若干多めになる程度ですね。
カロリーはプレーンナンとほとんど同様で500~600キロカロリー。
ただ、これを作っているカレー店は非常に少ない。
・餡子ナン
炭水化物と餡子は非常に合います。
アンパンがそれを証明しているわけですが、印度のナンにも餡子を入れるというのもナイスアイデアです。
あまり見かける事はありませんし、カレーに合うわけではないので、この餡子ナンだけを単品料理として食べるのが目的となります。
糖質が非常に高く、カロリーも高いです。
1枚800~1000キロカロリー前後はあると思われます。
・チャパティー
これこそ、印度の主食と言えそうです。
自宅にタンドールが無い家庭でも、フライパンや鉄板で簡単に作ることができるパンで、平たく薄いのが特徴。
ナンよりモチモチ感は無く、全粒粉タイプのものなのでGIは低め。
ナンに比べると風味は落ちますが、ヘルシーです。
通常はカレー1皿にチャパティー2枚程度を食べるのが一般的です。
1枚300~400キロカロリー
・プーリ
チャパティーを油で揚げたものと言えます。
印度の露天や屋台でよく見かけるもので、軽食として食べられているようです。
サンバルやラッサムなどを少し付けて食べるのですが、いかんせん油が多くカロリーはチャパティーに比べて大きく上がります。
1枚約500~600キロカロリー前後と思われますが、日本人にはあまり人気が無いパンです。
・ロティー
インドだけでなく、マレーシアやシンガポールなどでもアレンジされてる主食兼、おやつ的存在。
小麦粉を水で溶いてフライパンで薄く伸ばしたお好み焼きの生地のようなパンで、もちもちの食感が美味しいですね。
主にサンバルソースやラッサムと頂くのですが、格安で現地の方の日常食です。
[インド料理のメニューや単語など]
サーグ
サグとは、ほうれん草やフェネグリークの葉などの青菜を意味します。
シャヒ
トマトとカシューナッツベースのグレービー(ソースや肉汁)で、チャパティーなどと相性がとてもよいです。
ブナ
ブナとは「ソテーする」という意味でトマト味のグレービー(ソースや肉汁)なタイプ
ブルジ
スクランブルという意味でドライタイプな中辛風味。
ダム
ある程度火にかけてから、余熱でじっくり加熱調理する方法です。
ビリヤニという料理に用いられる事で有名
ジャル・フレイジ
熱いという意味のジャル。炒めるという意味のフレイジ。
カラヒ・カダヒ
カラヒという鍋で調理されたものを指し、カラチの空では1キロ以上からの注文を受けることで有名なマトンカラヒがあります。
コルマ
マトンコルマなど、濃厚なミルクなどを使ったクリーミーなグレービー(ソースや肉汁)。
マサラ
スパイスという広い意味で用いられるマサラ。
マサラドーサ、チキンマサラなど、目にする機会が多い単語です。
バルティ
トマトベーズのドライタイプグレービー(ソースや肉汁)。
さっぱりとしたインドパンと相性がよいです。
マライ
クリームという意味のマライ。コルマ同様クリームでマイルドな味わいが特徴です。
ハイダラバーディー
もともと地名でしたが、そこで使われる調理方法がそのまま調理名として伝搬しています。
ハイダラバード風のマトンビリヤニなど目にします。
カシミーリ
ナッツやミルクを使った濃厚なクリーミーグレービー(ソースや肉汁)。
インド・カシミール州の料理です。
ローガン・ジョシュ
イランから伝わったカレー料理で、ローガンとは油という意味で、ジョシュとは温めるという意味を示します。
非常に油が多いので、やや日本人にはきつい味です。
インディアッパ
あまり日本では見かけませんが、米粉から作った麺です。
南インド・スリランカでよく食されており、「ストリングホッパー」とも呼ばれています。
赤米
パラパラとした、ケララ州の名物です。
赤米というと北のネパールやブータンでも聞きますがそれとはまったく別物です。
イドゥリ
米粉と豆を発酵させて作った蒸しパンに似た食べ物です。
南インド、特にケララ州でよく食されております。
アッパム
米粉から作ったクレープ。
外はカリッとしておりますが、中はしっとりとしていて個人的には好きです。
アッパムの上に様々な具を乗せた●●アッパムという料理があります。
ケララパロタ
マイダで作った生地を鉄板で焼いたパンで、もっちもちの食感が特徴です。
チャパティーを何層にも重ねたような感じで、私が最も好きな炭水化物料理です。
セイロンパロタ
上記で説明したケララパロタの生地を四角い形にして焼いたものです。
東南アジア、マレーシアやシンガポール等で「パロタ」と言うとこの事を意味します。
ラギーボール
バンガロール名物です。
餅のようにネバネバしていて、現地の方としては健康食として食されています。
非常に高カロリーでボリュームがあるので、1つ食べればしばらく何も食べたくなくなります。
チャパティー
全粒粉を水で練ってフライパンで焼いたパンです。
ナンのようなふっくらした感じはなく、柔らかく薄いピザ生地のような炭水化物です。
ロティー
チャパティと同じ材料と焼き方なのですが、地域やシェフによって呼び方が変わります。
チャパティーはかなり薄い状態のもの、ロティーはやや厚みがあるナンに近いもの。。。と私は捉えています。
クルチャ
中力粉で作った生地を、タンドールで焼いたパンで、チーズクルチャなどという名前はインド料理店で聞いたことがあると思います。
プーリー
チャパティの生地を油で揚げたパンで、ふっくらと膨らんだ形状が有名です。
南インド地方でよく食されております。
バトゥーラ
インドで代表的なパン「ナン」を作ることができる粉=マイダで作った生地を揚げたパンです。
上記のプーリーと比べるとややモチモチしています。
デリービリヤニ
オレンジ色に着色された色が特徴のビリヤニでスパイス感は薄くあっさり味。
食べた感じでは大量の油が使われており、日本人にはちょっときつい料理です。
アグラービリヤニ
かなり塩分濃度が強いビリヤニで、あまりのしょっぱさに完食は不可能でした。
さらに多くのスパイスが使われおり、塩分とスパイスで完全に打ちのめされます。
ハイデラバード・ダム・ビリヤニ
ハイデラバード州が発祥かどうかは分かりませんが、インドでもっとも有名なビリヤニの一つです。
タマネギベースのグレービー(ソースや肉汁)を層にして炊き込んでいることで、マトンやチキンと一緒に炊き込みます。
かなり作るのに時間がかかるため、日本のカレー店でも曜日限定や数量限定で提供しているお店がほとんどです。
ワダ
インド料理店でたまに見かけるドーナツのようなものです。
主にひよこ豆などをすりつぶしたものから作られ、チャットニと一緒に食べたり、サンバルと一緒に食べることが多いです。
ドーサ
インドのクレープで、とても大きな筒状の料理を見たことはありませんか?。
まさにあれです、南インド全土で食べられている代表的なティファン=軽食です。
ウタパム
ドーサの生地を厚くして焼いたパンケーキです。
ティファンのメニューでドーサと比べると、柔らかい食感が特徴です。
これもサンバルやラッサムと一緒に頂きます。