ダイエット臭の原因と対策

ダイエット臭の原因と対策


おそらくこのサイトへ来訪している人の多くは、知っていると思いますが、ダイエットを正しく実践しないと、つまりバランスを崩したダイエットを行うと、ダイエット臭という臭いが体から分泌されます。

十分な栄養を摂取せず、運動も行わず、つまり食事を減らして続けて痩せた場合に起こりやすく、最初は口臭が酷くなり、最終的には全身からアンモニア臭が発散されるというものです。
痩身のため食事を抜いたりする人もいるかと思いますが、空腹時に自分の口や身体から甘酸っぱい臭いが出てるのを感じた事があるでしょうか?これがダイエット臭です。

こうしたサイトを運営していると多くのダイエッターにお会いしますが、そのうちの1割くらいの方から「ダイエット臭かな?」というかすかな臭いを感知しました(社交的にはまったく気にならないレベルでしたが)。
軽度の場合は本人は気付かず、周囲の人しか気づかないので改善のしようが無いのが実態で、このレベルなら通常の栄養補給と運動を行う事で改善できます。

本来理想的なダイエットは通常の食事を摂取(5大栄養素)し、それ以上の運動を行って体の中を流れる「フロー」を高める事で痩せるのが最も理想的です。しかし手っ取り早くやせるには、食事を抜くこと、そんな近道を選ぶ事の代償が「ダイエット臭」であるわけですが、運動で基礎代謝をアップしておかないと痩せて理想体型になった後の維持が大変になるので、一時的な体重減少だけを考えているだけでは、真のダイエットとは言えません。

食事だけを極端に制限して痩せたとしても、それは体の筋肉や単に水分が抜けて体重が落ちただけですので、気をつけてくださいね。
またこうしたエセダイエット方法は「これ以上やせられない」という限界がすぐにやってきす。当然ですが、体の筋肉や水分が減少する分量には限りがあるからです。

運動を行わず、食事量を減らすと体は飢餓状態と勘違いし、基礎代謝自体を減らして余計痩せにくい体質に変化してしまいます。
しっかり筋トレと有酸素運動を行っていれば筋肉での熱産生が維持されており、代謝も高まっているので脂肪燃焼効率が高いままです、しかし食事制限で体が飢餓状態と思いこむと、なるべく脂肪細胞をため込もうと体は必死にがんばります、このことで体脂肪率が高まり、痩せているのに隠れ肥満になってしまったりします。

まずこのダイエット臭というのは3段階から構成されています。

まず最初に食事制限で炭水化物やたんぱく質が不足すると、体は貯蓄していた中性脂肪を燃やすことでエネルギーを得ようとし、脂肪酸に分解して、ミトコンドリアのTCA回路へ運びます。
ですが急激な食事制限や運動不足で代謝が低下している状態だと、このTCA回路の回転が減速しているので、脂肪酸が不完全燃焼となり、余分な脂肪酸が血中に流れ込み増加してしまいます。
これが汗や皮脂から体外へ出ると、油っぽいニオイが体臭として発散されます。この臭い自体は対して強くないので、本人も気づかず、周囲もさほど気にならない状態です。
ただ、空腹状態が長時間続くと口内の唾液が減少し、口臭が増大します。


続いてダイエットのよる基礎代謝の低下が続くと、熱の産生が少なくなり、体の血行が悪くなります。
体内へ酸素の供給が減少し、体はエネルギーを完全燃焼系のTCA回路からではなく、不完全燃焼系の解糖系という方法でエネルギーを得ようとします。 その副産物として生ずるのが「乳酸」と呼ばれるものです。乳酸はアンモニアと一緒に汗の中に出る性質があり、汗をかいた時にアンモニア臭が強くなります。
この第二の段階では、「なんか汗の臭いが強くなったな・・・」と、本人もやや気付ける程度になるようです。
ジムなどに通っている人なら、周囲の痩せている人、ダイエットに取り組んでいる人とすれ違った時、周囲の人とは少し違った強い臭いを感じたことはありませんかね?これがそのアンモニア臭だと思います。


最後に「甘酸っぱい臭い」であるケトン臭が登場します。
血中に増加した脂肪酸が、TCA回路に入って燃焼されずに、別な径路でケトン体というニオイ物質に合成されることで生じます。
ケトン体は、糖尿病の際に出る臭いに似ており、なかなか強烈なニオイ物質です。
ケトン体が血液に増加すると、まず口臭として強烈な臭いがし、さらに汗から体臭として、さらには尿も非常に臭くなります。
酷くなると全身から「ツーン」とした酸臭がして本人もそうですが、周囲も相当な臭気に気付きます。

最近では女性の多くがダイエットに取り組み、しかもそのほとんどが食事制限で実践しているため、本人も気づかず第一段階から第二段階程度まで進行している事が考えられます。
さすがに全身からケトン臭が出るというケースは稀ですが、解決方法は基礎代謝を上げる、つまり運動を程良く行う事です。

代謝がうまくいっている限りでは臭いはせず、無臭ですので心配無用です。
むしろケトン体は脂肪から作られるので、脂肪燃焼+無臭なので、イイことづくめです。

また汗腺を健常な状態に保つことも大切です。
汗をしっかりかく事。
飲み過ぎはよくありませんが、しっかり水分を補給し、運動やサウナで水を排出。
こうした循環で体臭は減る傾向にあります。

最後に食事です。
体臭を軽減してくれる食べモノは主にアルカリ性食品です、例えば梅干し、酢、柑橘系フルーツなど。
またワカメや昆布などに含まれるアスパラギン酸という物質もTCA回路の材料になるため代謝向上が見込めます。
肉食は体臭を強めますので、ほどほどに。

自分ではなかなか気づきにくいダイエット臭。
最近では口臭の強さや体臭の強さを計測する機械も発売されているようですが、そのためにまずは週に1度~2度は最低でも運動を心がければ心配ないとは思います。