マレー料理のカロリー

マレーシア料理のカロリー


言わずと知れた美食の国マレーシア。
周辺をタイ、ベトナム、ミャンマー、インドネシア、フィリピンというアジア諸国に囲まれた文化度の高い国です。
近年は経済発展が著しく、古くから伝わるマレー伝統料理が廃れつつありますが、イスラム、仏教、ヒンズーの宗教的背景を考慮した実に見事な料理文化は、今でも来る者を惹きつけています。

例えば米料理一つを取っても、中華のチャーハン、インドのビリヤニが融合した独特のマレーシア系米料理は、ナシレマを代表としてココナッツやサンバルソースなどと調味される独自の発展を遂げています。

私もマレーシアへ行く動機のほとんどは観光ではなく「食」。
米だけでなく、ラクサやロティーなど麺やパンのレベルも高く実に美味しいからです。 しかし気になるのはそのカロリーでしょう。
アジア料理というと油を大量に使用している印象があり、ヘルシーな食事を志向する方は敬遠する人もいます。
現に中華料理は油料理と言い換える事ができるほど、炒める・焼く・揚げるなど、その調理方法のほぼ全てに共通して油を多用します。

ベトナムやタイ料理はヘルシーだという人もいますが、それはごく一部であって、やはり現地に行けば腐敗防止のため揚げたり炒めたり、火を通します。
火を通す際には必ずと言っていいほど油は使用しますから、生春巻きなどの一部の生食料理を除いては結構なカロリーとなります。
チキンライス ナシチャンプル 亀ゼリー

さて、マレーシア料理といっても、東と西、北と南の文化が融合した料理なので、何をしてマレー料理というかは非常に意見が分かれるところです。
今回は伝統的なマレー料理ではなく、一般的にマレーシアで食されている料理についてカロリーを考えてみたいと思います。

例えば私がマレーシアに出かけたら必ず食べるナシレマ、ナシゴレン、ラクサ、ミーゴレン、ロティチャナイ。
さらにはブブチャチャというかき氷、クエという餅菓子などです。

マレーシア料理の中でも特にカロリーが高いと思うのがやはり中華系の料理。
といっても全世界中華料理は共通のようなものなので、これは除外。

次いでハイカロリーと思うのがインド系の料理です。

そう、カレー。

日本で食べるインドカレーは非常に上品で素材に良質な食材を使っていますが、あちらのカレーは油の質も悪く、肉は基本的に安物のチキンかマトンのみ。
豚と牛は宗教上の理由から入れられていないケースが多いのです(というか見たことが無い)

カレーをスプーンですくうと、油が表面に浮いているのが分かるし、ためしに冷蔵庫へ入れて翌日取り出して見たら、表面に大量の油が浮いていました。
おそらく一般的なチキンカレーやダルカレー、マトン・ラム系のカレーなどは、日本のそれよりカロリーが高く、1人前で1000キロカロリー前後はあると思います。

さらにダイエッターにとって追い打ちをかけるように炭水化物系がたっぷり必ず添えられています。
まだ所得格差は歴然としていて、日本との物価比は5:1。
それゆえ、一般所得階層の方も毎日贅沢な料理を食べられるわけではないので、少量で高カロリーな食事、つまり少ない予算で満腹にエネルギッシュになる料理が多いのだと思います。

カレーにはほぼ必ずロティー、またはジャスミンライス、チャパティーやナンが添えられています。
ナンは高価なので、屋台でカレーを頂く場合、ほとんどの店はロティーかチャパティーです。

観光客が行くような高価なインド料理店ではナンが出てきます。

パキスタン料理のように1人前のカレーにチャパティーが2枚付いてくるような事はありませんが、それでも炭水化物を含めると、カレーとして1人前食した場合1200キロカロリー前後はあるかと思います。
ナシチャンプル 板麺 マトンミーゴレン

せっかく旅行したのだから、1日4食~5食は食べたいところ。
でも1回の食事でこれだけ摂取してしまってはもったいないので、私はいつも半分以上は残しています。

続いてカロリーが高いのはニョニャ料理でしょう。

ラクサや焼きそばなどのミーゴレン。
ココナッツの甘さで隠れていますが、大量の油を使った濃厚な料理群です。

ミーゴレンはインド料理店でも出されますが、スパイスが若干違います。
中華・マレー系のミーゴレンは日本の焼きそば風の味わい。

たいしてインド系料理店で出される麺料理はカレー風味です。

焼きそばは炭水化物。
これに甘さと油が加わるので、食後血糖値は急上昇します。

インスリンのスイッチを糖質で揚げ、蓄積されるカロリーは油が下支え。
まさに太るための料理といってもいいくらいのミーゴレンですが、あちらの方は日常的にこうした料理を食べているのですから病気リスクも高いはずです。

ざっくり書いてみると
・ロティー+サンバルソース付き(800キロカロリー)
・ラクサ、ココナッツ風味(700キロカロリー)
・各種カレー(1000キロカロリー)
・ナシレマ(700キロカロリー)
・ナシゴレン(900キロカロリー)
・ミーゴレン(800キロカロリー)
・ナシチャンプル(900キロカロリー)
・ナシクラブ+おかず等(800キロカロリー)
・肉骨茶(900キロカロリー)
・ブブチャチャ(400キロカロリー)
・クエラピス1個(200キロカロリー)

おおむねこんなところでしょう。

しかし、問題は実はカロリーだけでなく、そこにふくまれている糖質や脂質の量。
同じカロリーでも寿司と中華では意味が全然違いますからね。

また、東南アジアへ旅行した方なら分かると思いますが、あちらには健康関連食品が非常に少ないのです。

例えばドリンク。
日本のようにオールフリーや低糖質系のドリンク、油の吸収を抑えるお茶などは殆どありません。
よくて低カロリーコーラくらい。
マレーシアのコーラ マレーシアのスプライト マレーシア伝統菓子のクエ

豆乳にも大量の砂糖が入っているくらいですからね。
コンビニなどに行ったら可能な限り水を選びたいところです。

おそらくまだダイエットという文化に至っていないのだと思います。
まずは標準的なカロリー摂取まで国民の全てが到達し、その後にカロリー過多になってダイエット文化になっていく。
富の象徴でもある「痩身」という文化は、先進国の仲間入りをするまでは難しいのでしょう。
マレーシアのスウィーツ インド料理店のケース