体脂肪率が5%近くになるとどうなるか

ダイエットをついうっかりやりすぎてしまう人へ


2000年ころから始めたダイエット歴も、かれこれ20年になろうとしている。

当時の体重は60キロ台中盤、そこから一念発起し、学生時代の57kgを目指し始めた食生活、運動生活は見事に波に乗り、1年に1kgづつのゆるい減量に成功した。

2008年で57kgに到達。
その後も気持ちを緩めることなく続けついに50kgまで落ちた。
というか、もはや行き過ぎの域に達してはいたけれど「ここまで痩せたのだからもう少しがんばって余剰を作っておきたい」という気持ちがあったのは嘘ではない。

体重が落ちれば、本来体脂肪率は上昇する。
脂肪は落ちにくいため、体重が急減する背景には筋肉分解が関与しているからだ。

しかし、1年で1kgというゆるい減量はほぼ確実に体脂肪率を燃焼させていたのだろう、それは数値になって表れていた。
2018年の最低体脂肪率は4.8%。
もはやアスリートを超えて飢餓状態に近い。

体脂肪率が10%前後であれば、かなり健康的だし身体も魅力的に見える。
しかし7%を下回ってくると、かなり不気味に見える。

自分自身は毎日鏡を見ているので何とも思わないのだが、久しぶりに会った友人などは「病気?!」みたいなことを言われたり、顔をされたりしたものだ。

まず体脂肪率が5%~6%の状態だと、猛烈に寒さへの耐性が下がる。
夏でもお店に入ればその冷房が気になって、なるべく空調の近くには腰掛けなくなる。

冬は言わずもがな四肢が冷え切ってしまう。

室内は暖房+床暖房がなければ生きていけないほど寒いし、寝る時などは布団の横にドライヤーを置いて、冷えた手足を温めながら寝るという生活をしていた。

おまけに脂肪は保湿の役割もするので、肌はかさかさになる。
寒い+かさかさ。
この劣悪な条件下であるにも関わらず、脳はもっと脂肪を減らそう、維持しようと考え、毎日ジムで有酸素運動をしていた。


環境が変わったのは2019年の正月だ。

これまで毎年やっていた年末断食をやめ、食いたいものを食いたいだけ食べる!という年にしてみたのだ。
どうせ太ってもすぐに痩せられる意思力はあるし、まぁいいだろうということで。

で、焼き肉、ラーメン、雑煮などをとにかく欲するままに食べたのだ。
そこで分かったのは、自分は結構食べられるという事だった。

焼き肉は4人前は軽くいけるし、寿司も5人前くらいは食べられた。
雑煮は餅を4つ入れてもものたりず、その後にさらに3つ入れたものでおかわりをし、それ以外に伊達巻やおせちも・・・という具体に食べまくった。

そうした食生活で12月最終週から1月初旬で一挙に5kg増えた。
その間もジムで筋トレ+有酸素運動をしていたが、体重の増加は思いがけない副産物をもたらしてくれた。

毎日鏡を見ていた自分でさえその変化に気づくほど筋肉がついたのだ。
まず大きく変わったのは胸筋、腹筋、腕筋。

以前より少し大きくなり、とてつもなく硬くなった。
自分は筋肉が付かない体質なんだろうな、、、などと思っていたが大きな間違いで、ただ単に脂肪が少なすぎて筋肉が付かなかったのだ。

決してゴリマッチョになりたくはなかったが、ナルシストの気持ちがわかるほど筋肉への愛着がわきそうだった。
所謂細マッチョというやつか。


体重は5kg増えたが、体脂肪率は相変わらず6%から7%を漂っていた。
ジムの超高性能体組成計で計測すると、体脂肪率が3.5%というあり得ない数値が出たが、これはおそらく間違いだろう。

行きつけの寿司屋の大将からは「ちょうどいい感じになりましたね」と言われた。
まぁ社交辞令もあるのだろうが、確かに以前はひょろひょろがりがりだったし、半分は本音だろうなと思った。


ダイエットをしているとだれもが陥るやりすぎ行動。
それはおそらく「醜形恐怖症」とも関係しているのだと思うけれど、あと少し、あと少しだけ・・・という気持ちが増えてくる。

報酬より喪失を恐れる人間の本能は、健康的な身体より、これだけ頑張って痩せたのだからもう太りたくない、つまり痩せた体形を喪失したくないという心理状態になるのだろう。

今はすこぶる健康的だと自分でも思う。
身長は173センチなので55kgだとまだ少しやせているほうに入ると思うけど、今くらいが本当にちょうどいい。

何より食事制限を全くせずとも、付いた筋肉の基礎代謝+活動代謝、さらにジムの運動ですべてチャラになる。
ストレスから解放されたのだ。


ダイエットにはゴールがない。
だからこそ、折り合い地点を模索するのがとても大切だと感じた。

永遠に痩せ続けることなどできないし、維持はとても苦しい。
健康的でありながら、自分が自分を認められる体重と体形が本当のゴールなのだという事を、ダイエットをしているすべての人に伝えたいと思う。

どれほど筋トレをしても筋肉がある一定以上増えないのは、この体脂肪率の低さだと感じた。